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春過 ぎて 夏来 にけらし 白妙 の衣ほすてふ 天 の香具山
持統天皇
現代語訳
春が過ぎて、夏が来てしまったようです。昔から夏に白い衣を干すをいわれている天の香具山に、真っ白な着物が干されています。
超訳(現代風語訳)
あー夏が来たぁ♪チョイト白い
解説
この歌は爽やかな夏の青空のもと、緑の山に白い衣が干してある風景を詠った歌です。
天の香具山では、かつて夏になると白い衣を干す習慣がありました。作者の持統天皇はその様子を目にして夏の訪れを感じ、あぁ夏が来たんだわと胸を弾ませたのかもしれません。
裏話
この歌をみると、香具山は洗濯物干し場なのかな…?と思ってしまいそうですが、香具山は当時の人にとっては神聖なお山でした。
香具山は、奈良県
白妙の衣とは、天の香具山に仕えていた巫女が着ていた服なのではないか、もしくは神様に捧げる祈りの儀式に使われた布ではないか…という説があり、どちらにしても、神聖な印象があります。
夏の緑の山に映える白い衣をイメージすると、干される白い衣はより清々しく感じます。
持統天皇 (645~702)
史上4人目の女性天皇であり、父(天智天皇)と夫(天武天皇)のかねてよりの悲願だった、法律で国家を統治する「
また、香具山、