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かささぎの 渡 せる橋 に おく霜 のしろきを見 れば 夜 ぞふけにける
中納言家持
現代語訳
冬の夜空に白々と天の川。七夕の夜には、かささぎが連なって天の川に橋をかけるという伝説がありますが、その伝説の橋にもたとえられる、この宮中の橋にも白い霜がおりています。その霜の白さをみると夜もふけたと感じます。
超訳(現代風語訳)
霜おりてる。はぁ~寒いはずだよ…。…あ、この霜の感じ、七夕の伝説とかけたらバズりそうじゃない?
解説
この歌は、冬の夜、宮中の橋に霜がおりている様子から、七夕の伝説を思い浮かべて詠んだ歌です。
七夕の伝説とは「織姫が彦星に会いに行けるように、かささぎが群れをなして飛び、天の川に橋をかけた」という伝説です。
かささぎはカラスの仲間で、カラスよりひとまわり小さい鳥です。おなか、肩、つばさの先が白いのが特徴で、空を飛ぶ姿を見上げると、ちょうどおなかの白い部分が目立ちます。
また、この歌が作られた奈良時代の都は平城京です。平城京の宮中の階段は「天にかかる橋」に例えられることがありました。宮中は天皇が住む場所で、尊いところと考えられたからです。
作者の
裏話
冬の歌に夏の七夕伝説…と少し季節がちぐはぐな感じがします。
しかし実際は、この歌が詠まれた冬の夜空のほうが、空気も澄んで星がきれいなので、天の川がはっきり見えるんですね。
ちなみに現代の7月7日は夏ですが、昔の旧暦では7月は秋でした。ややこしいですね。
中納言家持 (718~785)
本名は
大伴家は古い由緒ある部門の一族で、父の